「どうしたんだよ、そんなにこの女の人見つめて.
まさか知り合い?」
そうか、この口の達者な男の子は宇川くんの弟か.
「そのまさかだな.
久し振りだな」
あれから3週間近くも合わなかった2人.
宇川くんはちょっと上機嫌みたいだ.
「うん」
私は素っ気なく返事をした.
「何、この女?
めっちゃ地味」
なんて男の子は言うと、私は彼に買い物袋を持ってない方の手を引っ張られた.
「地味って・・・
やっぱり小学生でもおまえのことわかんだな」
おもしろおかしそうに笑う宇川くん.
私はこいつの弟に不意に手を引っ張られたため、よろよろしてしまい宇川くんとの距離が少し縮んでしまったんだ.
だから宇川くんの言葉や表情がわかりやすい.
「うっさい!
てか君.そろそろ手、離してくれないかな」
早く帰りたいのに.


