真っ正面に来た朝壬さんが私に訴えた.
「あの人の言葉の重さは、軽いんだって思ってるんでしょ?
私・・・あの言葉を軽々しく受け止めることできない.
勝手に私の心の中に入ってきて、貶してばかにして・・・
私そんな人必要ない!!
いらないよ!!もう顔も見たくないよ」
私は朝壬さんの肩に手を置き、下を向きながら言った.
涙が出てきそうだった.
また前みたいなことが起きそうで嫌なのだ.
逃げたくなった.
「落ち着いて、加奈ちゃん.
このことを私に言っても、解決出来ることじゃない.
れおとに言おうよ.そしたら少しは解決出来るかもしれないから」
この言葉を聞くと、私はまた走った.
朝壬さんに私の思いは伝わらなかったんだ、と思って.
これ以上彼女が私を追ってくることはなかった.
~回想~
『あ、お姉ちゃん!!』
あの時のこと.
私は学校帰りに友広くんに声をかけられた.


