気づけば、中庭を抜けて廊下にいて。 行き交うみんなの視線を集めていることなんて、すぐにわかった。 ……なに?なんでなの? 「あのっ、晴真先輩……わぁ」 踊り場に着いたところで、ゆっくりと下ろされる。 あぁ、びっくりした。 ――ねぇ、晴真先輩?なにをしようとしてるの? 冷静になったあたしの心に浮かんだ疑問。 晴真先輩の横顔を見つめても、なにも答えは出てこない。