「千亜樹、帰るぞ」 「えっ、ちょっと待ってっ……」 ズンズンと歩いていく弥のあとを、慌てて追いかける。 「ほら早くしろよ」 「う、うん……」 保健室を出てから、なんだか弥の機嫌が悪い気が……。 どうしたんだろう。 「弥?」 「ぼーっとしてないで靴はけよ」 「え、うん……」 弥に急かされて靴箱から靴を取り出した、ちょうどそのとき。