先生に急かされ、あたしは慌ててベッドから腰を上げた。 「あの、」 「その人なら今あなたが聞きたいこと、教えてくれるから。安心しなさい」 「……は、はい」 お礼を言って保健室を出たあたしの、足取りは重い。 だって……どうしても行かなきゃだめなの? できればもう会いたくない“学園の王子さま”に会いに。