「――にしても、あの人どうしたの?」 そう言って奈々が指差した先には――念入りに準備運動をしている弥。 「え、ど、どうしたってなにが?」 「んー?なんか気合い入ってない?スポーツバカだから?」 「そ、そうだよたぶん」 奈々は知らないんだ。 弥と晴真先輩が勝負すること。 まぁ、知らないほうがいいか。 ややこしいことになるし。