《立岡ジム》
裕晶の父親が経営する、シンプルな名称の総合格闘技ジム。そこの室内の区画された場所で、天井から吊るされたサンドバッグにリズミカルに音を響かせる裕晶。多くが蹴り技だが、たまに腕を使った打撃を繰り出す。
表向きは平常であるが、内心は苛立っていた。苛立ちの対象は、自分自身。
一昨日は、裕晶にとって密度の濃い一日だった。正確には放課後の一時だけだが、今までの価値観が覆ったという意味では、裕晶がそれまで過ごしていた一ヶ月にも及ばない。
そうさせたのは、ゴトウだった。高校で初めて接した先輩も癖のある人物であったが、切っ掛けはゴトウで、彼がいなければ裕晶にはいつも通りの日常しかなかった。
会話をした。それまで誰とも関わろうとしなかった裕晶にとって、貴重な体験となったし、楽しかった。裕晶には、そんな日があった。
裕晶の父親が経営する、シンプルな名称の総合格闘技ジム。そこの室内の区画された場所で、天井から吊るされたサンドバッグにリズミカルに音を響かせる裕晶。多くが蹴り技だが、たまに腕を使った打撃を繰り出す。
表向きは平常であるが、内心は苛立っていた。苛立ちの対象は、自分自身。
一昨日は、裕晶にとって密度の濃い一日だった。正確には放課後の一時だけだが、今までの価値観が覆ったという意味では、裕晶がそれまで過ごしていた一ヶ月にも及ばない。
そうさせたのは、ゴトウだった。高校で初めて接した先輩も癖のある人物であったが、切っ掛けはゴトウで、彼がいなければ裕晶にはいつも通りの日常しかなかった。
会話をした。それまで誰とも関わろうとしなかった裕晶にとって、貴重な体験となったし、楽しかった。裕晶には、そんな日があった。


