「てか一年か?何でウチュージンと一緒にいたんだ?」
「あれじゃね?やっぱウチュージンの知り合いってことはこいつもか?何だろ、火星人?」
「やっべッ火星人?マジウケる」
言葉だけなら無視する気になる裕晶だが、出会って数分で侮蔑の対象になったことに、苛立ちが沸騰しだす。
これ以上黙っていたら、何かを言う前に手足が俊敏に動きそうだ。呼び止められたがもう無視していいだろう。裕晶は黙って歩き出そうとする。が、
「おいおいおい、無視かよ、無視?」
「うわ傷付いた~、こりゃ賠償してもらわないとなぁ」
「取り敢えず持ってるお金は先輩に寄付してね、ね?」
「…………」
まさかの展開だ。からかうだけでは飽きたらず、金銭の要求をするとは。これで二度目だ。一度目は小学生の時で、裕晶はその要求を呑まず、変わりに暴動を起こした。そして今も、程度は違うがやることは変わらない。


