「価値観の違いだね――って、こういう時に使うんだね」
黙って裕晶とゴトウの会話を聞いていた明が口を挟む。このままでは平行線を辿るだろうとの考えからか、明が一言で纏めた。
価値観の違い、という言葉は随分と便利であると実感する。
「と言っても、これで話が終わりなのはつまらないからね。裕晶君、ちょっと話をしようか。何か俺に訊きたいことない?先輩だからさ、何か訊いてほしいなって思うんだ」
そう言われてしまえば、裕晶は話題を考えないわけにはいかない。
これがもし、「何か話をして」と、ただ会話をするためにそう言われたのであれば「特にないです」と答えるのが裕晶である。だが、裕晶から話題を上げてほしいという理由があるのだから、それに応えなければならない。


