「協調性っていうけどさ、それなりにはあるよ」
「ほぉ、例えば?」
ニヤニヤしながらそう言うゴトウは、裕晶の言葉を甘く見ている。日中誰とも話さずに過ごしている裕晶を知っているのだから、当然の反応である。
「班を作って活動する時とかさ、ちゃんと何か言って賛成したり反対したりするよ」
「お前さ、それって協調性とは言わねぇぞ。普通のことだろ」
「え、そうなの?協調性って誰かと何かをやっていこうとすることでしょ?だったら僕が言ったのって当て嵌まらないの?」
ゴトウの言葉に、心底不思議だと言わんばかりの口振りで裕晶は言う。
「俺的には、普通の会話を長く続けることが出来るかどうかって感じなんだけどな」
「それって、向き不向きの問題じゃないの?」
裕晶の感覚がそれだ。運動、勉強、様々な分野に向き不向きがあるように、会話も相性に寄るものが大きいと考えている。


