一人でゴトウの話を聞いていたとしたら、自分は一体どうしていたのだろう。少なくとも、最初から落ち着いてなどいられなかった。
「そういえば立岡君って、放課後は普段何をしているの?」
それまでの非日常を遮り、日常的な会話を振ってきた明。しかし、これから何をすればいいのか考えられなかった裕晶にとっては、渡りに舟となった。
「放課後は、大抵は真っ直ぐ家に帰って体を動かして――あ、家はジムをやっているんです」
「へえ、ジムか。ゴトーに聞いたけど、立岡君って喧嘩強いんだよね。そこで鍛えてるんだ」
「はい」
誰かに話し掛けることも話し掛けられることも滅多にない裕晶にとって、こういった会話は珍しいことだった。珍しいというのは慣れていないという意味でもあり、裕晶は会話を広げる術を知らない。
だから、この流れで会話が終了になると裕晶は思っていたが、この場には三人いる。
「つまりそれって、アクティブなぼっちってことか」


