男子高校生と男子高校生もどき


信じられない話はどうやっても現実でしかない。オカルト話は好まない裕晶だが、こうでもなければ説明のつかない体験をしたのだ。


でもなあ。


何かが足りない。そんな思いに駆られる。座敷童子という非日常的な存在を前に、どんな反応を返していいのか。何かこう、インパクトが足りない。


それこそ、空から円盤が降りて来て、宇宙人が出てくるという光景を目にした方が、まだ納得出来る。


そんな考えを抱くようになり、自分は冷静なのかと不安になった。


視線を明の方に向けると、先程から変わらない口だけの笑みを浮かべながら、黙って裕晶を見詰めている。


明から何かを言ってもらおうかと口を開く前に、それより先にゴトウが裕晶にとって衝撃的なことを口にする。


「立岡裕晶、血液型はAB、6月16日生まれ、父親の名前は立岡和彰(かずあき)、自営業。母お――」


「ちょ待っ――!?」


突然公表される裕晶の個人情報。反射的に身体が動き、身を乗り出しながらゴトウの喉元に手刀を叩き込む。