「ま、その前にちょっと場所、変えようか。図書室なんだけどよ」
「僕は、喧嘩は買う方が好きなんだけどさ、あんたは売る方が好きみたいだね」
苛立ちを滲ませた目で彼を見据える裕晶。どこまでもマイペースに語る彼に対し、このままでは暴力的な行動をしてしまうだろうと冷静に判断する。
「待て待て待て。ちょっと待て。早く俺にじっくり色々尋問してぇかもしれねぇけど待て。殴られんのも蹴られんのも勘弁。てかいーじゃん、場所ぐらい変えたって。お前に会いたい奴がいるんだよ」
「いや、僕には関係ないでしょ」
「関係ない?いやいや、確かに裕晶と、その会いたい奴は多分絶対関わりがないだろうと断言する。いや、違ったら恥ずいんで、そこは90パーぐらいの確率でってことで。でもまあお前にとってもいいんじゃね?"第三者がいてくれた方がまだ納得しやすいんじゃねぇの?"」
最後に奇妙なことを口にしたが、裕晶はその言葉の意味を察した。
昨日、彼と話をした時。初対面の相手に対し、名前も何も知ろうとしなかったことを指しているのではないだろうか。


