「――――――――――ッッッ!?!?」
言葉にならない悲鳴を出したのは、裕晶が大野の股間に蹴りを入れたからである。
これを見たクラスの男子の中には思わず目を背ける者もいたが、大野にとっては何の慰めにもならず、先程以上に辛い思いをすることになった。
残る三人は既に裕晶に対する敵意などなく、恐れを抱いている。苦痛に顔を歪める大野を見ながら黙って席に戻り、顔を見合せる。
裕晶は作業を再開し、バッグの中を片付け水筒の中身を捨てに教室を出ようとしたところで、谷川が戻って来た。
「立岡、ツナのサンドイッチと、昆布のおにぎりと、言われた通り、小さいサイズのお茶と、あとコーラ、でいいか?」
随分と早い帰りだった。全速力で走ってきたかのように、息は荒い。だが思考は冷静で、谷川は裕晶の足元に転がる大野を見る。
なんで大野の奴、こんなところで倒れてるってかなんでアソコ押さえて……まさか?
それ以上考えると非常に恐ろしいことになりそうで、考えないように視線を反らす。


