男子高校生と男子高校生もどき


取り外した蓋を机の上に落とし、空いた手で大野の襟元を掴む裕晶。裕晶の見た目に反して強い力で引き寄せられた大野は、口に水筒の飲み口を押し付けられる。


「ンアッ――!?」


水筒は傾けられ、中の液体が口内に注ぎ込まれると同時に、彼は一つの事実を思い出す。"からかうために"弁当をぶちまけるだけでなく――裕晶の水筒に墨汁を入れたことを。


「ああぁぁぁああああぁあッッ!?あぁああッ!!」


お茶と墨汁が混じり合ったその味を感知した途端強烈な吐き気が襲い、無我夢中で暴れて裕晶から離れた後、自分がいる場所が教室であることを忘れ、お茶と墨汁のブレンドを吐き出した。


それを見届け、やっぱり何か仕組んでたかと知り、机から下りてえづく男子の背中を蹴り飛ばした。四つん這いになった彼は喉を震わせ激しく咳き込む。


この間の裕晶はいつも通りの無表情であり、彼にとって全てが終わった今となっては、今までと何一つ変わらない様子だ。