裕晶はあの時――久方の手により一時的にゴトウの存在が消された時――今までにない強い感情が膨れ上がった。我ながら驚いた。自分がまさか、激昂するとは。
冷静でいられる自信があった。
身を守る術があったというのもそうだが、裕晶には失うものがなかったから、と言うことが出来る。一人で学校生活を送る上では、不便があることは知っていた。しかし、あるものがなくなるよりは、遥かにマシだった。
だから、何も問題はないはずだった。
友達がいた時は、我慢をすることだってあった。人に合わせるために、自分の気持ちを押し殺さなければならないことが多かった。かといって、全てがそうだったのではない。友達といて、楽しいことだってあった。
そう、裕晶には、友達がいて楽しかったと思えることがあった。
そこまで思い至ったところで、裕晶は――


