上手に説明をするのは苦手な方であるが、事の始まりから結末まで、見たこと聞いたことを出来るだけ正確に話した。
端から聞く者がいれば一笑に付されるであろう内容だが、二人は気にせず話をしている。食堂に来るような生徒達は皆自分のグループでの会話に集中し、そもそも明がいることで椅子一つ分距離を取られている。心配することはないと判断している。
そんな、警戒も不安もない状況でいきなり、予期していなかったことを言われる。
「――前にゴトウから聞いたよ。裕晶君が俺の知り合いに絡まれたってこと。……それでしょ?ゴトーが校外に出る切っ掛けになったのは」
「え――」
知っていたのか、というのが正直な思いだった。明を考慮して、どういう理由で絡まれたのかはぼかして説明をしていた。だがそれは無駄だったらしい。


