男子高校生と男子高校生もどき


「――まあ、こんなところです。何か質問があれば、どうぞ」


そして久方は言葉を切った。数秒の間を空けてから、憮然とした表情のゴトウが口を開く。


「なあ、幾つかいいか?」


「構いません。どうぞ」


緩やかに弧を描く口を開き、久方が質問を促す。


「一つ、『通り者』がここに入り込んでからお前が来るまで随分早いが、こんなもんなのか。――二つ、何で俺を名前で呼ばない。自己紹介の時にこう呼んでくれって言ったよな。座敷童子って、それ俺の名前じゃねぇんだけど。ゴトウも本名じゃねぇけどな」


二つの質問は、確かに裕晶も気になることだ。話を聞いていて、久方の行動はかなり迅速であると感じていた。


そして、久方はゴトウのことを『座敷童子』と固有名詞で呼ぶことが多かった。裕晶を『立岡さん』と丁寧に呼んでいるというのにだ。そのことに違和感を覚えていた。


どちらにも答えはあったようで、久方は一呼吸おいてから、ゆっくりと言葉を紡ぐ。