男子高校生と男子高校生もどき


「妖怪(いしき)を見ることは、通常では不可能です。ですから、術をかけることで視認を可能にする必要がありました。その結果が、『白い煙のようなもの』です。とはいえ、それでもまだ、常人――霊感のない人、と言いましょうか――そのような方が認出来る段階ではありませんでしたが」


「……俺が突き飛ばす直前に、『通り者』がお前んとこに勢いよく迫ってきてたんだぜ?あんなの見えたら裕晶でもビビってただろうな」


ポツリと、ゴトウが漏らすように言った言葉で思い出す。いきなりゴトウが裕晶を突き飛ばしたこと、その後の展開が非常すぎて、すっかり忘れていた。あの行為にはそんな意味があったのか。


ゴトウの発言にクスリと笑みを溢してから、久方が説明を続ける。


「『通り者』が、瑚堂学園内にいる。どのような行動原理か、というのは私には判りません。仮説を立てるなら、一ヶ所に媒介となる人が多くいる場所で、たまたま選ばれたからでしょうか」


そのたまたまが、ゴトウが校外に出るという偶然と重なってしまったということになり、不運だったとしか言えない。