「こうやって姿を見せるのって、なかなか時間かかるからな。何てったって一度消されちまったんだし。でも、何があったのかはちゃんと判ってる。――なあ、解決したんだろ?俺の一時的な犠牲をもって」
「ええ、そうです。ご協力、感謝致します」
勝手に話が進んでいる。裕晶は当事者ではなく、巻き込まれただけの存在といえるだろうが、何も理解出来ないのは納得がいかない。
裕晶は何を言ったらいいのか言葉を探すが、適切なものは見付からない。だが重大事項があっさり解決したことで、状況を呑み込めない不満よりも、むしろ戸惑いの方が大きい。
視線をあちこちにやり、未だ目を覚まさない男子生徒のことが視界に入る。忘れていたとはいえ、彼の身に起こっていたことも気になることの一つだった。それはどうしたらいいのか。


