男子高校生と男子高校生もどき



「虐めてきた人全員を殴って、蹴って、踏みつけて。先生が一番怪我をしたみたいで、何度も倒れてる先生の顔を踏みつけてた、らしいんだけど。見てないし、聞いただけだから大袈裟になったのかもしれないけど、そんな感じで。

なんかもう、それまでの立岡君のイメージがなくなるぐらいだったね、あの時は。

騒ぎが起こって――あ、私は立岡君の隣のクラスだったんだけど、ドタバタ音がして、そのクラスの人がうちのクラス来て、先生呼んで……まあ、一応収まったんだけど。

あ、ホントこれ、全部聞いた話だから、ちょっと合ってるか微妙なとこあるんだけど、まあそんな感じで」



「………………」


陽菜の話を聞いていた者は言葉がない。


あの立岡が?嘘でしょ?


裕晶の姿を思い浮かべるが、どう見ても地味な男子生徒としか思えない。半信半疑だが、陽菜が嘘を吐く理由はない。ならば、事実なのか。


「だからさ、不安なんだよね。大野(おおの)君達がどうなるのか」


屈託した顔を浮かべる友達を見ながら、最後に陽菜は、虐めグループの身を案じる言葉を呟いた。