「断切、縛暫、止収」
裕晶には、何が起こっているのかさっぱり判らなかった。ファンタジーな出来事なのだろうという、漠然としたことは理解しても、少年の言動がどんな結果を引き起こすのかは判らない。
だから、いきなり結末を見せ付けられた。
「終いです」
途端、どこからか湧き出る風が辺りを突き抜ける。裕晶は両腕で顔を覆い、目を閉じる。さらに混沌とする状況で、もはや言葉もない。
未だ倒れ伏すゴトウと少年の元へ集まるように渦巻く風が収まり、裕晶はようやく目を開ける。
ゴトウの姿は消えていた。
「…………!?」
全く予期していない事態を前に、裕晶は完全に混乱する。
何が起きた!?ゴトウは!?どこへ、一体どうして、何で、判らないから、誰か教えて――何でどうして何が起きて……。
茫然自失。自分の身体から力が抜けるのを感じ、思わずふらつく。だが、力強い一歩を踏み出し顔を上げる。
視界の中で、済ました顔をして立ち上がる少年。右手で掴んでいる札に顔を向け、薄目を開いて――満足げに微笑んだ。それを見た裕晶は、衝動のまま彼に回し蹴りを叩き込む。


