男子高校生と男子高校生もどき


剣呑な雰囲気を出し続ける男子生徒を前に、裕晶はふと思い出す。ゴトウに言われたこと――『キレやすい奴が多い』。些細なことで怒り、しかし憑き物が落ちたかのように大人しくなるという妙な出来事。


それが、今眼前にいる彼の状態なのかと。


先日のクラスメイトの姿が脳裏に浮かぶ。蒲生も突然感情を爆発させ、急に落ち着いた。


そのような状況に再び遭遇し、一度転ばせた方がいいかと考え出した裕晶は、男子生徒の後ろに誰かがいることに気が付いた。


その誰かは、どういうつもりか瞼を閉じており、右手には何か小さな紙を持ち、左手には黒のセカンドバッグの黒を所持している。


音もなくそこに立つ少年。その彼は、ゴトウが探す人物の特徴と合致する。