男子高校生と男子高校生もどき


「とにかく、それらしい人を見掛けたら教えるよ」


「悪いな。裕晶が校内(ここ)で活動する範囲内でいいか、頼むわ。……それじゃあな」


その言葉を言い残し、ゴトウは立ち上がって椅子を机の下に戻して教室から出て行った。



先程までの会話を思い返してみると、本当に現実の出来事かと疑問に思う内容だった。それでも信じられるのはゴトウという存在があるから。


様々な意味でゴトウの影響を思いながら、裕晶は机から本を取り出し、読書を始める。



友達かどうかなど、わざわざ言葉にして確認するようなものではないことは裕晶だって判る。だからこそ、裕晶はこの関係を何と呼べばいいのか判断がつかない。


自分とゴトウの関係については、今は考えないことにした。気楽に過ごした方が、確かにいいかもしれない。今はそう、校内で起きている異常について気に掛けるべきだと、裕晶は思った。