「判った。とにかく、それらしい人を見掛けたらゴトウに伝えれば……どうやって伝えればいいのさ」
悩んでいたことの一つとして、裕晶にはゴトウと接触するための手段がないことを改めて思い知った。裕晶にとっては重大なことであったが、ゴトウは事も無げに答える。
「あぁ、それは簡単だ。俺の名前を呼んでくれりゃいい。普通に話し掛ける程度の声の大きさでいいから」
「……それだけ?」
「それだけだけど。何だ?怪しげな儀式でも必要だとか思ってたのか?」
「いや、そういう訳じゃないけどさ」
随分と手軽だった。裕晶も儀式をするとは思ってもいなかったが、かといってそこまで簡単なことだというのも想定外だった。ならばどういったものかと聞かれても答えはなかったが。


