男子高校生と男子高校生もどき


これから起こるであろう悲劇はやはり他人事。ただ、興味がないからそれを無関心に見ていられることは出来ない。見ていて気分がいいものでは決してないことは判っている。


だから彼女達は教室を出て食堂へと向い、束の間の安穏とした時間を過ごすつもりでいた。だが、陽菜の一言によりその思いは霧散する。


「立岡が、どうしたの」


あまり話題にしたくないことだった。彼について話すとなると、傍観者でいる自分を否定される気分になるから。


傍観者であることを第三者から否定されれば、じゃあ自分はどうなのだと、問い質したくなる。誰だって、自分自身は損をしたくない。自分の不幸を他人が引き受けてくれるのなら、喜んでそれを望むだろう。


世の為人の為で行動する人間が一人もいないとは言わないが、限りなく少数だろう。


自分の為、が大きく占める多数派に属する彼女等は、しかしそれが道徳的にはどうなのかということも理解している。