「気楽に……ですか」
何も言わないのは申し訳ないと思い、水城の言葉を一言反復する。だが今は、気楽という言葉からは程遠い場所に裕晶はいる。
「そうだなぁ。どういうシチュエーションかは知らんが、自分からは会えないんだろ?だったらそれ言い訳にすりゃいい。というかそもそも、裕晶君はそいつとどうしたいんだ?」
「え?」
咄嗟にその言葉の意味が判らず、俯いていた顔を上げ、数秒ポカンとした表情を見せる裕晶。そういえば、考えていなかった。
以前、明が話した言葉の中に、ゴトウら干渉した相手の友人となるというようなものがあった。ならばゴトウにとって裕晶の友人と言えるのか。
裕晶にとっての友人関係とは、意味を為さない脆いものという印象でしかない。世間を見渡せば必ずしもそうではないかもしれないが、裕晶にとって固い友情というのはフィクションと同列にある。
いや違う。そもそも自分はゴトウとどうなりたいのだ?友達?それともただの顔見知り?
……判らない。
それが結論だった。


