「紅葉。こっち来い」 もちろん私たちは付き合っていて、 かつ志木との二人暮らしは続いている。 「なんでしょうか。志木サマ。」 いつものソファーにはふて腐れ顔の志木。 「お前はつまんない。 学校では照れて手を繋ぐのも嫌がってる。」 「それは……」 そう。 私は学校ではほとんど自分から志木に近づくことはない。 あんなに学校で仲良くしたかったのに、 今では恥ずかしくて話してても周りの目を気にしてしまう。