文化祭も終わり、クラスの打ち上げも無事終わった。

結局控え室の後、志木と話すことはなかった。



「ただいま~」


「おかえりなさい!」


叔母さんはビールを飲みながらソファーに座っていた。

やっぱり思い出すのは、志木。


「叔母さんね、明日にはまた旅に出るわ。」


「え……。もう?」


「紅葉ちゃんにはまたつらい思いさせちゃうわね……。それでも美しいものが見たくて見たくてしょうがないの。いわゆる芸術家の血が騒ぐのよ。」


叔母さんが冗談っぽく、クスクスと笑った。



「帰るときはまた手紙送るわね。」


「うん……。」


叔母さんは私の頭を撫でた。


「さぁ、疲れたでしょ?家事はやっておいたから、もう寝なさい?」


「ありがとう……。おやすみなさい。」


「おやすみ。」



やっぱり少し寂しいな……。



まだ少し興奮してる頭を落ち着かせて、目を閉じた。