机のなかを覗いて「………あ、あった」と呟いて中に手を突っ込む北條くん。
そんな一連の動作を私は横目で見ていた。
せっかくの二人きりのチャンス。
話しかけて見ようかな…?
「ねえ、北條くーー」
勇気を出して話しかけようとした、その瞬間。
暑かったのだろう、北條くんが窓を開けた。そこまでは良かったのだ、うん。
だけど…
「うわぁぁぁ!!!」
強風。本日は強風でした。
一気に冷たい風が吹き込んできて体を凍りつかせ、私の机の上にあった憎きプリントを華麗に宙を舞わせたのだ。
プ、プリントォォォ!
ばっさー、と辺りに広がり酷いやつなんて廊下側にまで飛んでいってる。
教室のほぼ端から端までって、あり得ないでしょっ!

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.759/img/book/genre1.png)