机のなかを覗いて「………あ、あった」と呟いて中に手を突っ込む北條くん。


そんな一連の動作を私は横目で見ていた。




せっかくの二人きりのチャンス。

話しかけて見ようかな…?






「ねえ、北條くーー」






勇気を出して話しかけようとした、その瞬間。

暑かったのだろう、北條くんが窓を開けた。そこまでは良かったのだ、うん。





だけど…





「うわぁぁぁ!!!」




強風。本日は強風でした。

一気に冷たい風が吹き込んできて体を凍りつかせ、私の机の上にあった憎きプリントを華麗に宙を舞わせたのだ。







プ、プリントォォォ!

ばっさー、と辺りに広がり酷いやつなんて廊下側にまで飛んでいってる。



教室のほぼ端から端までって、あり得ないでしょっ!