初めから別に高かったわけじゃないけど、テンション下がりまくりだった私に聞こえたのは
神の声……じゃなくて。
「ほ、北條…くん?」
声がする方に視線を向けると、ドアの所に、その声の主はいた。
北條 到琉(ほうじょう いたる)くん。
バスケ部で、背がすっごく高くて顔が小さくて、手足が長くて…とにかくイケメンなのだ。
だけど、キリッとした瞳は目力が半端なくて、この間クラスの誰かが「北條は目だけで人を殺せる」なんて言われてた。
感情を表に出さず、いつでも良く言えばクール。悪く言えば無愛想。そんなところが、そんなことを言われる原因ともなってるんだと思う。
「どうしたの、忘れ物かなにか?」

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.758/img/book/genre1.png)