い、行ってしまった。
いかにも、面倒って顔をして哀れな私を見捨てていきやがった。
おお、神よ!
迷える子羊にどうか…………うん。さっさとプリントを綴じて終わらせて帰ろう。
もう話す相手もいないし、集中して出来るし。
一人でこんなこと考えてたら空しいし、惨めだし。いや、一人じゃなくても空しい…って、それはただのバカか。
「せめて、日が暮れるまでには帰りたいな~」
喋る暇があれば、手を動かせ。そんな突っ込みが聞こえてきたような…ってもう誰もいなくなった教室でそんな声が聞こえてくるわけがないか。
聞こえてきたら、ホラーだよ。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.758/img/book/genre1.png)