「澄香~、帰ろう」





HRが終わり、担任が教室を出ると帰る準備を終えた親友が私のもとへとやって来た。





「うん、帰ろう!……なんて言えない~!!」





一瞬だけ元気に返事をしてみたけど、机の上を占領する大量のプリントが視界に入り、笑顔が消える。



……あの、クソ教師めっ。

私が断れないのを知ってて頼んできやがったな。

……いや、断れない私にも問題はあるんだろうけど。きっと、じゃなくて絶対に。