【短】kiss♡クールなキャプテン×マネージャー




「東京は、星があんまり綺麗くなかね。空が青紫たい。」



「そうだな。」



元々口数の少ない秀。緊張も重なってだんまり状態だったから、何と無く話しかける。



けど、返ってきたのは、たった四文字。なんなの、自分が誘ったくせに。



「…………秀、緊張、してんの?」



『キャプテン』じゃなくて『秀』と呼ぶと、秀はピタリと足を止め、振り返る。



「長い付き合いやろ、分かるって。ずっと秀んこつ見とるけんね、違いは分かる。」



「そうか。………不甲斐ない、男だな。」




柄にもなく元気のない秀は、行雲より量は少ないが、長い睫毛を引っ付けた瞼を伏せる。



街灯に照らされて、睫毛が影を作って、秀を何時もより艶やかに魅せる。



「馬鹿ねぇ。私には、昔約束した通り、秀が決勝戦、決勝点を決める姿しか、イメージ湧いとらんて!………緊張すんのも、怖いんも分かる。キャプテンやもん。重圧もあるよね?」




「…俺は、お前以外には弱いところを上手く隠せるのに、お前には、全てバレてしまうんだな。」



少しだけ、いつものポーカーフェイスが崩れて、口元が緩む秀。



あーもー、こういう繊細なところも含めて、私は秀が好きなんだ。