【短】kiss♡クールなキャプテン×マネージャー

私の悩みなんか、きっとちっぽけで、これから待つ本選に向けて、時間は目まぐるしく過ぎていく。



私達にとっては初めての遠征で、飛行機に乗って、決戦の地、東京へ。



「おー!見て!富士山や!」



「ホントだぁ!ゆっくん富士山登ろうね、帰りに!」



「馬鹿、ディズニー行く時間なくなるやろ!」



馬鹿はどっちだ。富士山は静岡と山梨だし、ディズニーは千葉でしょ。



と心の中で元気な煩い、だけど可愛いうちの部員に突っ込み、隣に座ってる秀を見る。



すると、秀もこちらを見ていて、その射抜くような切れ長の猫目に、心臓が跳ねる。



「疲れてないか?少し、寝ろ。騒がしいあいつらはシメて黙らせてもいい。」



「大丈夫、ありがとう。こんなとこでシメ技かけたらホントに死んじゃうけん、止めてあげて、ひ………キャプテン。」




よく分からないけど、優しく気遣ってくれたことが嬉しい。



ついつい、昔からの『秀』という呼び方を皆の前でしそうになり、急いで訂正した。