すっかり、季節は秋になった。

今日、私は、十歳になる。

《梨々華SIDE》

悠斗「梨々!誕生日、おめでとう。」

梨々華「えっ?」

悠斗「梨々華の父さんと母さんから、教えてもらった。」

梨々華「あいつらでも、覚えてたんだ。」

悠斗「ずっと、一緒にいたのに、俺、知らなくて祝ってあげられてないから、今日は思いっきり、祝う!」

梨々華「悠くん。ありがとう。でも、気持ちだけで、私は充分。」

悠斗「そうなのか?でも、プレゼントは、はい。」

悠くんから、プレゼントをもらって開けてみる。

箱の中には、小さい子熊の人形とパンダの人形があった。

梨々華「この、人形。」

悠くんは、覚えててくれたみたい。

私が、前に欲しいって言ってたやつ。