最後の夏休み Last Summer Days.

「この番号は現在使われておりません―――」



もしかしたらと思っていたけど、ショックだった。



こんな時、ソラがいればアタシがさみしそうにしていると足元にすりよってくる。



それで少しは気が安らぐのに。



そう思っているとミヤさんから電話がかかってきた。



「もう電話した？」



「………はい。しました。電話、使われてないって」



「私もさっき電話したらそうだった。



ケータイ変えたのかな？　私、嫌われちゃったかも」



その笑い声は、なぜか切なかった。



「他の知り合いにも聞いてみるよ。何かわかったらまた連絡するから」



「いろいろとありがとうございます」



「私がしたくてしてるだけなんだから、気にしないで。カニクリ」



彼女の温かさに触れた短い電話が終わると、アタシはまた一人になった。