最後の夏休み Last Summer Days.

エントランスのドアが開いてから、彼女の部屋の前に立つまで、



何を話せばいいのか正直迷っていた。



制服で来てしまったのも後悔していた。



知り合いといっても突然現れた女子高生に、



いきなり手紙を渡されて小説家がどこにいるか教えてくれなんて言われたら、



誰だっていい気はしないよね。



悩みながら部屋の前に立つと、昼間の熱気と緊張で手にも汗をかいていた。