「そう。誕生日はいつ?」
「8月31日」
「あと少しね。その時は、家族とお祝いかな?」
「それはないと思う。
あそこはアタシの居場所じゃないし、小説家の部屋にいるから」
「小説家? ああ、椎名君ね。
彼とはどうやって出会ったの?」
「海で自殺しようとしたアタシを救ってくれた」
「そう。辛いことがあったのね。
よかったら話して―――」
それから質問という雑談は続いた。
次に心理テストと言われて見せられたチョウチョの絵みたいなインクのシミについて話をさせられる。
その絵が、ロールシャッハテストという性格を調べるテストだと知ったのは、
小説家の部屋の本棚にあった分厚い本からだった。
小説家は、アタシをどうしたかったんだろう。
それも、ナリタヒカリに会えばわかるだろうか。
「8月31日」
「あと少しね。その時は、家族とお祝いかな?」
「それはないと思う。
あそこはアタシの居場所じゃないし、小説家の部屋にいるから」
「小説家? ああ、椎名君ね。
彼とはどうやって出会ったの?」
「海で自殺しようとしたアタシを救ってくれた」
「そう。辛いことがあったのね。
よかったら話して―――」
それから質問という雑談は続いた。
次に心理テストと言われて見せられたチョウチョの絵みたいなインクのシミについて話をさせられる。
その絵が、ロールシャッハテストという性格を調べるテストだと知ったのは、
小説家の部屋の本棚にあった分厚い本からだった。
小説家は、アタシをどうしたかったんだろう。
それも、ナリタヒカリに会えばわかるだろうか。

