「カニクリはただ、先生と話をしてくれればいいから」



まるで夏期講習みたいに一生懸命だった。



「わかった。いいよ」



だけど、もうその時間には戻れない。



すごく大切だった時間。



ねぇ、小説家。



アナタは今、どこにいるの?



アタシ達の約束、忘れちゃった?



アタシは、忘れてないよ。



忘れられないよ。



ねぇ、小説家―――