でも、私はそれをしなかった。
「皆、酷―い。骸骨なんて女の子に失礼だよ。やっぱり、私はあんまり綺麗じゃないし、モデルやらない方が良いよ。」
そう笑って再びタオルを身体に巻いて、準備室へと逃げ込んだのだ。
背後から、大きな笑い声が聞こえてきて、それから私を罵る声が聞こえてきた。
思わず耳を塞いで、準備室を離れようとした。
その時、自分の足元に古い果物ナイフが落ちていることに気がついた。
私は、そのナイフを何に使うかも考えずに拾い上げ、スカートのポケットに押し込んだ。
そして、準備室を離れた。
「そのナイフを使って、死のうとか。美術部員を惨殺しようだとか。色々思ったわ。
何より、そんなことがあったなんて先生方に報告するのだって、恥ずかしいじゃない。
裸を承諾したのは結局のところ私なんだしね。
それ以降、私はプライドのない痴女と陰口を叩かれ続けて、淫乱という噂を流され続けた。
もう、学校に通うのが本当にダルくて、朝になると頭が痛くなったし、夜になると悪い夢ばかり見て眠れなくなったし……。」


