部長さんから受け取った白い水着を準備室で着て、タオルに身を隠して美術室へと入って行く。
いかにも気の強そうな部員たちが、一斉に此方を見た。
大袈裟に顔を顰める人も、愛想笑いする人も、期待に目を輝かせる人もいた。
ずらりと輪を作る部員たちの真ん中に、私は立たされた。
部長さんの言う通りに、タオルを取った。
と、同時に笑い声が起こったのだ。
「『こんな痩せ細った骸骨の絵なんて私たちは描けないよ』って、皆は私の身体を見て笑っていた。
すごく、屈辱的だった。
美術部は、色黒で筋肉質な人たちがとても多くて、それこそボディービルにも匹敵するような体格を皆が持っていたの。
そんな人たちに笑われて、自分の身体のことを言われて、本当は泣きたかったし、暴れたかったし、恥をかかせた部長さんを殴るなりなんなりしてやりたかった。」


