――ごめんね、本当にごめんね。
 

携帯をしまった本棚に向かい、やや感傷的に呟いてみた。


こんなことをしたって、あんなに遠くに住んでいる彼女にこの気持ちが届くわけもないのに、そう繰り返していた。


どうせ今日までの仲だったのだ。


最後まで騙してくれれば良かったのに。


素晴らしい友人だったという捏造された夢の一つや二つ、見ていたって良かったじゃないか。


どうして、これから死ぬ以外に未来のない人間に向かって、彼女はあんなことが言えたのだろう。
 

私のいないところで、私を此処まで貶めた奴らがまだ幸せに生きている。


私のことを話の種にして、笑いながら過ごしている。


いっそ、私じゃなくて彼女たちが死ねば良かったのだ。


先ほど、私にあんな冷たいメールを送りつけてきた須崎も……嘘の噂を流して私を孤立させた山田たちも。


皆、死んでしまえば良い。