画面越しに見る彼女は、私の知っている彼女とはまるで別人。


道化を続ける私のことを、哀れむわけでも諭すわけでもなく、ただ、激しく憎悪していた。
 

彼女のことが一瞬で怖くなり、私は携帯の電源を落としてしまった。


丸尾末広氏の漫画三冊を本棚から引っ張り出して、現れるほんの小さな空間に携帯を放り込む。


そして、また漫画で蓋をした。
 

何もかもが上手くいかなくなった。


高校に入ってからすべてが嫌になった。


私を取り巻く環境がガラリと変わって、長年努力して築き上げた人間関係も一瞬にして崩れてしまった。
 

ベッドを置いたために座るスペースもなくなってしまったほど小さな部屋で、手首に包帯を巻きながら過去を振り返りすすり泣く日々。


もはや人間としても扱ってもらえないほど社会の底辺へと落ちてしまったこの存在。


生きている意味もなく、けれど死ぬほどの価値もない、そんな曖昧な場所に立った今、悩みも恨みも悲しみも、もう何も浮かびはしなかった。