星の声が聞こえるようになったのは、小学二年生の時だった。 初めは子守唄代わりに聞いていたその声が、やがては起きている時間帯にまで聞こえるようになった。 同じ部屋に寝ている兄に相談した。 不思議な声が聞こえるのだ、と。 歳の離れた兄は、医学部志望で、高校生の頃から大人向けの難しい本を読んでいた。 勿論、その時の私の質問は、頭の良し悪し関係なく答えられるようなものだった。 兄は、しばらく本をめくるフリをしてから、「それは星の声だよ」と言った。