さっき私達がセリフを読み、即興で指定された劇
(ちなみに電車の改札を通ろうとしたら切符が無くて焦る、という内容だった)
を演じた場所は妙に静まり返っている。
ぞろぞろと横に並んで立つとプロデューサーだと言う人が重い口を開いた。
「今日はご苦労様でした。皆さん素晴らしかったんですが、今回は4番の秋元さんに……」
「え……ありがとうございますっ!!」
-ズキン-
見なくたって分かってるけど……自分の胸の番号を見る。
ラッキーセブンだったのにな?
自信も……結構あったのにな?
涙を流して喜ぶその子を見たくなくて、そっとその場を離れた。
そして……。



