アルコールに溶かされて、頭がふわふわする中で真二の声が聞こえる。 「やべー、今までの中でナギサちゃん一番相性いいかも」 大きな体に抱きしめられたまま、愛のない行為を更に誰かと比較される。 汗ばむ肌をキツク抱きしめる。 浮かぶ感情は嫌だ、でも嬉しいでもない。 ……怖い。 呑まれてしまうのが怖いんだ。 女を抱き慣れた真二の手が、指が、腕が、体が……怖かった。 自分が自分じゃなくなってしまうような、そんな気がして。