私の手元に残ったもの。 愛しい彼氏。 そして、現金1360万円が振り込まれた通帳。 それだけ。 「本当にそれでいいの?」 手を繋いで、とある建物に入って行く。 今日がオフの真二と、一般人の私。 「うん、いいんだ」 「だけどさ……必死になって頑張った金じゃん?」 通帳を握り締めた私の顔を真二は覗きこむ。