「ね、こないだのオーディションで受かった玲って人いんじゃん?」 「あの人来てくんないかなぁ?俺めっちゃタイプなんだけど!!」 ここにも私と同じ、何も知らない救われない人がいる。 「なんならナギサでもいいぜ??」 胸を叩いてみせた雄也の耳元で私はそっと囁いた。 「ありがと、でもね……私蹴ったんだ」 「蹴ったって……まさか」 「そ、芸能人にはならないよ」