「俺ら……バカだよな」 「バカだね……」 抱き締めあったまま、ベッドでくっつくとどちらからともなく笑みが漏れる。 「来週オーディションだって」 「そうなんだ」 「そう、玲が受かるヤツ」 自嘲気味に歯を見せて笑う真二に、私も苦笑いしか出来ない。 玲さんは泣くんだろうか? 私がオーディションを受けたあの日、最後に名前を呼ばれた子のように。 それも、演技……か。